国営讃岐まんのう公園は、350haの公園面積を有する四国で唯一の国営公園です。本公園は、香川県まんのう町にあるわが国最大級の農業用ため池である「満濃池」を望む丘陸地に位置しており、満濃池とその周辺の豊かな自然、そして空海を生んだ四国の文化的土壌を活かして、基本テーマを『人間との語らい、自然・宇宙とのふれあい』とし、昭和59年度に整備に着手、平成25年4月に全面開園しました。
国営讃岐まんのう公園では、以下に示す4つを基本方針とし、公園づくりを進めていきます。
昭和59年4月 | 事業採択 |
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昭和59年10月1日 | 国営讃岐丘陸公園出張所発足 |
昭和60年9月 | 基本計画決定 |
昭和61年8月29日 | 都市計画決定 |
昭和61年9月29日 | 都市計画事業承認 |
昭和61年10月1日 | 国営讃岐まんのう公園工事事務所発足 |
昭和62年2月26日 | 用地買収の協定締結 |
昭和62年10月 | 工事着手 |
昭和63年1月23日 | 都市公園を設置すべき区域広告 |
平成元年10月 | 起工式 |
平成10年4月18日 | 第一期開園(80.1ha) |
平成12年4月29日 | 皇太子・同妃殿下御臨席のもと 第11回全国「みどりの愛護」のつどい開催 |
平成12年4月30日 | 北口園路追加開園(95.8ha) |
平成14年4月20日 | 自然生態園追加開園(111.4ha) |
平成17年3月19日 | 満濃池展望遊歩道追加開園(111.8ha) |
平成18年12月28日 | 湖畔通り線園路追加開園(113.9ha) |
平成20年3月31日 | 湖畔ゾーン一帯追加開園(153.6ha) |
平成20年4月26日 | 健康ゾーン一部追加開園(157.7ha) |
平成23年4月24日 | 健康ゾーン一帯追加開園(198.0ha) |
平成25年4月21日 | 自然活用ゾーン開園(350.0ha)により全面開園 |
広域化・多様化するレクリエーション需要に応えます
我が国の歴史的風土や文化財を保存・活用して未来に伝えます
都市圏の”緑の核”を守り、大切に育てます
活気に満ちた地域づくりと新しい発展の拠点となります
藩政時代の讃岐の特産品だった塩・砂糖・綿は、讃岐三白と呼ばれていました。何れも温暖で雨の少ない瀬戸内特有の気候の賜物でした。さらに、香川県は山から浅く雨が降ってもすぐに水が海に流出してしまうため、川から農業用水を得ることが困難で昔からため池を築いてこれを補ってきました。香川県内の現在のため池総数は約1万4千余りで、全国のため池総数22万の7%近くを占めています。
現在の満濃池の貯水量は1,540万tで、農水用ため池としては全国一位の規模を誇っています。
受益面積 | 2市3町 3,000ha |
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形式 | 土堰堤アーチ型 |
堤高 | 32.0m |
堤長 | 155.8m |
満水面積 | 138.5ha[甲子園球場(4ha)の35倍] |
堤体積 | 218,000㎥ |
貯水量 | 15,400,000㎥ |
農業用のため池としてわが国最大級の規模を誇る満濃池に関して、有名な「今昔物語」の中に満濃池の龍伝説が書き綴られています。
今は昔、満濃池に住んでいた龍が池辺で小蛇の姿で日なたぼっこをしていると、鳶になって餌を求めていた近江の国の比良山の天狗がこれを見つけて捕まえて持ちかえり、比良山の洞に入れました。
更に餌を求めつづけた天狗は、京の寺で厠にたった小僧を見つけ、やはりこれを捕まえて持ちかえり龍と同じ洞に入れました。小僧が持っていた水瓶の水を得た小蛇は龍の姿に戻り、洞を破って小僧を助け、京都の町で僧に化けていた天狗を押し倒しました。それからは、天狗の悪さを耳にすることはありませんでした。
「緑と石のヴィスタ」も「エントランス広場」と同じように花崗岩の石垣をついて造られた、うねる大地の裂け目のような通路で、その石垣が街路樹に替わってヴィスタを構成し(造園の手法では通常ヴィスタは並木の街路樹で構成されます。)、その先の芝生広場の中の小山の一つがアイストップとしてちらっと見えてきます。
ここを通るうち、徐々に自然の世界へタイムスリップしていくかのようにその先に広がる世界への期待が高まっていく空間です。この道は先へ行くほど道幅が少し狭くなっており、両側の石垣のうねりと相まって人間の目の「錯視」の効果により実際より奥行きがあるようにみえる仕掛けとなっています。
切り通しの道の面には、スリットのように溝が入っていますから、道の両端の距離を歩測していただくと実際先に行く程、どれだけ絞ってあるかがわかります。
また、もう一つの工夫として、阿讃山脈の屏風のような緑を「借景」としているので実際の公園の面積より幾倍もの広がり感を与えています。
「緑と石のヴィスタ」から芝生広場に入ろうとすると大きな滝があることに気づいて、ちょっとびっくりします。
「昇竜の滝」は、大地の裂け目から湧き出る水が滝となる様をイメージし合計約2,000tの花崗岩を組み上げて人工的に造った滝です。滝中央には約20tにもなる大きな石が二本垂直方向に立てて組んであり、竜が滝を登っていく様を表しています。
また滝壺から続く流れは、中央芝生広場を通って「飛竜池」へと流れ込んでおり、これは山から湧き出た水が平野を潤し、海に流れ込む様子をも表しています。
滝の落差はおよそ9m、最大時には落下流量約65t/分にもなり、見るものを圧倒します。
なお、滝を流れる水は循環式となっており、その仕組みは、滝の東側の石垣の小山の中にポンプ室と貯水槽が入っており、滝壺から順次水を貯水槽へ汲み上げていき、満タンになったところで一気に放流するというサイクルを繰り返しています。
「飛竜池」は、「竜の子広場」のすぐ南側にある周りを木々に囲まれた広さ約2.3ha の静かな雰囲気の池です。池の周囲には一部池に張り出した木製のデッキを含め散策路が巡らしてあり、所々には眺望を楽しむポイントが設けてあります。
眺望ポイントとしては、池越しに「昇竜の滝」を眺めるポイント、5月は「オンツツジ」の赤い花が水面に映るのを周囲の新緑と共に眺めるポイント等があります。
「飛竜池」の正規の名称は「蛭池(ひるいけ)」といい、江戸時代に西嶋八兵衛によって修築されたと伝えられる由緒ある池です。公園ができる際に、公園全体で「竜」をデザインのモチーフに用いていること、「昇竜の滝」から流れがつづき、昇竜の滝を眺める絶好のポイントでもあることからこの公園では「蛭池」を少しもじって「飛竜池」と命名しました。
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